今から15年程前に米国のデザイナーと明治村を視察した時の話です。幾度と無く日本を訪れていたそのデザイナーは、『日本にもこんな素晴らしい建築スタイルがあったのですね?何故無くなってしまったのですか?』と率直な感想を話してくれました。

北米では、住宅のデザイン様式の基本は伝統的建築様式に基づきながら、その時代のトレンドをブレンドしながら少しずつ進化していくという流れが主流です。(デザイン以外の設備的な要素も同様です。見た目は、伝統的建築様式でも太陽光発電システムを搭載したスタイルもその一例です)

何故か?それは単純明快で、中古市場においても人々から『こんな素敵な家に暮らしてみたい』そう感じてもらえる家を新築時にデザインすることが極めて重要だと考えられています。

その様な考え方は、建設業者が他社との競争優位性独を保つための論理ではなく、あくまでも将来的な家主の損得で考えられています。
(尚、米国では、耐震性能・断熱性能等の性能等は充分に満たしていることは当然のことであり、それを強調しユーザーに伝えることはありません)

よって、デザインは将来に渡って流行に左右されず、資産としての価値と住まう家族の自尊心が持続する様、伝統的な建築様式をベースとしているのです。

私たちの取り組みは、世界最先端と言われる米国の家づくりの思想的部分への共感から始まっています。

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充