最近お客さんとの会話の中で「なんゃって輸入住宅だけは造りたくないのです」という声をよく聞く様になった。「なんちゃって輸入住宅」いわゆる、「輸入住宅風」の家のことを意味する。この様なお話しをされた際にいつも例え話しをするのがディズニーランドやユニバーサルジャパンと他のテーマパークとの違いである。(安城建築らしくお話ししたいので、批判をするつもりは無い、あくまでも比較として聞いて頂けたら幸いである)

おそらくディズニーやユニバーサルの建物を見てこのデザインは偽物だと思う人はエンドユーザーからプロまで含めて少ないだろう。しかし、その他のテーマパークや遊園地でこの建物は何となく変じゃない?と思う方は逆に多いと思う。

ディズニーランド等のテーマパークや海外旅行、海外赴任、この様にユーザーの多くが本物を見る機会が格段に増えたことが最大の理由だと思う。更に具体的な理由が3点考えられる。

①設計士やデザイナーの問題

→設計士やデザイナーが正統なデザイン様式を熟知していない為、解らない部分を設計士の自己流で設計してしまうからである。図面段階でなんゃって風の場合、間違いなく建物もなんちゃって風となってしまう。

②造り手の問題

→通常住宅を造る際、装飾に至るまでの詳細図面が無い場合が多い。その場合、現場監督や職人の判断により造られていく。当然、場監督や職人が造ろうとする建築様式を熟知しているか否かでは、例え同じ図面でも造り手により、出来上がる建物は全く違ったものとなってしまう。

③ユーザーのデザイン感性レベルの向上

→本物を見る経験が多い方程、デザインに対する感性レベルが向上する。例え理論的に説明出来なくても潜在的にそのように感じてしまう。

なんちゃって風の輸入住宅を造らない為のコツはとてもシンプルです。造ろうとする輸入住宅を専門に手掛けている設計士に依頼すること。造り手である現場監督や職人が輸入住宅の専門知識を持ち、日本の気候風土に配慮した施工をしている造り手を選ぶことである。

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充