先日、サツキとメイの家の見学に入って参りました。昭和初期の時代に多く建てられた典型的な文化住宅です。

純和風の家と完全な洋のスタイルの家の融合を想像すると、水と油ほど違うものですが、本物の和と本物の洋だからと思います。もし、中途半端な和と中途半端な洋を融合させたら、おそらく違和感を感じることでしょう。造り込んだ純粋な洋スタイルの家の前で着物にて撮影しても違和感が無いのと同じです。

国内外問わず、昔から美しく継承されてきた正統派デザインは、和洋が融合しているにも拘わらず、不思議としっくり馴染み、ひとの感性に響きます。

通常、この様な文化住宅は、和の部分が通常の生活の部屋、洋館部分は客間として使われていたようですが、この家では洋館部をお父さんの書斎として使用されていました。明るくとても素敵な書斎で、ロッキングチェアーで読書をしながらうたた寝したら最高に幸せな気持ちになれそうな空間でした。

土間の台所には釜戸があり、私も小学校の低学年までは釜戸や風呂釜で火の番をしながら、燃える薪の炎を眺めていると、時間の経つのも忘れ流れ穏やかな気持ちになったものです。

余談ですが、総工費は3億円。坪単価1千万だそうです。

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充