ボックス(パテをおこなう機械)も極めて体力を使う仕事である。

何も持たない状態で腕を頭より10分間あげ続けてみて欲しい。極めて辛い。

このボックを使いこなせればとても美しく平滑な下地が出来る。しかし、少しでも天井に押さえ付ける力を弱めた途端にパテはかすれてしまう。その力の入れ具合は、実際の話、時々グラスファイバー製の丈夫な柄が真っ二つに折れてしまう程である。この作業を延々と続けて、初めてクオリティーの高いドライウォールが完成する。

彼の腕は、私の太ももより太い。その理由は、仕事のクオリティーを落とさない為に仕事を終えてからジムへ通い、バーベルをあげているからである。

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充