今思えば、私が小中学生の頃当たり前に立っていた石像ですが、学校の先生から金次郎のについて教えてもらった記憶がありませんでした。昨今では、歩きながらの読書は危険という理由により撤去されているそうです。確かに歩きスマホ同様ですが、何とも微妙な理由です。

最近、二宮尊徳に関する書籍を読んだことにより、いつもの癖でその歴史舞台の地に無性に行きたくなり、先日東京出張の帰り道、金次郎の生まれ故郷、小田原に寄って参りました。

小田原には尊徳記念館(何故かメジャーではありません)があり、金次郎の生涯と出来事が順に展示され、生家や村人たちと畑を耕したクワ等様々なリアルな遺品も展示されています。(本を読んでから行くと妙にドキドキワクワクします)

私が金次郎に引かれた部分は、頭脳明晰で危機的な状況の村を幾つ救ってきましたが、直驕(おご)らず、常に村人(相手)の立場に立った立ち振る舞いを幼い頃から生涯一貫して貫き通したことにあります。自分の意思が通じない場合においても通じない理由は自分にあるという金次郎の考え方、生き方は当然の如く現代においても計り知れないほどの学びがあります。『金次郎の爪の垢を煎じて飲まなければいかんなぁ~』と何度も思った次第です。

ボランティアガイドの方にどちらからですか?と聞かれ愛知の安城市ですとお伝えすると、『えっそんな遠方から』と驚かれていましたが、充分に行く価値があると思います。TV漫画による解説がありますので小学生の3~4年生位以上でしたら充分理解できる資料館です。全国の小中学校から金次郎の像が無くなる前に是非一度訪れてみては如何でしょうか。学ぶことが人を助けることに繋がることが実に解り易く理解できる貴重な資料館だと思います。私も小学生の頃、このことが分かっていたらもう少し真面目に勉強していたかも??と感じた次第です。

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充