札幌から旭川まではレンタカーで3時間。雪道の為とても神経を使う。実際、視察の間幾度と無く事故現場に遭遇した。(スタッドレスタイヤでもアイスバーンは歯が立たず、北海道での冬のレンタカーはお勧め出来ない)

インターを降りて動物園までの道はテカテカで極めて危険。交通量も少なく、本当に動物園に行く人がいるのか?と思った。

しかし、動物園に到着してその思いとは逆に入園者の多さに驚く。これほど人の多い動物園は見たことがない。しかも一面の銀世界、時折雪が舞う状態で・・・。

入園直後、ペンギンのお散歩タイムのアナウンス。ディズニーのパレードの様に、行進する沿道に人々の花道ができた。前方の人々の歓声があがり、間もなくしてペンギン達が歩いてきた。あるペンギンは芸でも教えたかという程、愛想良く観客に近づきカメラにポーズを決める。凄技のペンギンである。

この旭山動物園には、珍獣はいない。あざらしやペンギンといった何処の動物園にいる動物だけである。これらの動物たちを入園者が如何に興味を持って楽しく観察出来るかを徹底的に考え抜かれている。添付の様なポップもその一例。

動物園を観ての感想として、確かに徹底的に考え抜いている。少し残念だったことはレストラン等の施設が新しくなり、本来の動物園の姿というよりは観光地としての旭山動物園になっている様にも感じた。本や映画になった時の様な廃園の危機から脱するその時の動物園の姿を少しでも感じたかった。

もしかしたらもっと奥深いもので根底には熱い何かがあったかもしれない。そうでなければこれほど多くの人々を全国から呼び寄せることはできないだろう。旭山がこれほどまでにブレークしたのはマスコミの影響力が極めて大きい。そこにはこの動物園のスタッフの熱い想いが核となり、それがやがてマスコミまでも動かし、静止することの出来ない原動力となったのでは?と思う。

全国の動物園がこの旭山を追従している。しかし、動物の存在意義を明確に持ち続けることと圧倒的な動物への愛、そして知恵がある限り旭山動物園は日本最北端、珍獣はいないというハンディがあっても決して他の動物園には負けることはないのだろう。

⇒旭山動物園入り口にて

⇒サービス精神旺盛なペンギン

⇒鹿のむくみの紹介文

 

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充