弊社が輸入住宅を手掛け始めた頃、米国では地下室を利用するケースが多い様でしたが、現在はそうでも無さそうです。テキサスに暮らす私の弟を通じて会社の米国人の人々に地下室の利用状況を聞いてみた処、地下室を部屋として使用している人は5%程度と極めて少ないことが分かりました。

一軒屋に暮らす弟の家のケースですが、地下室が部屋として仕上げられていたものの、あくまでも卓球台、エアーホッケー等のプレールームのみの使用に限っていたそうです。時折どこから虫が入って来てとても困っていたそうです(地面に近い為虫も僅かな隙間からでも入り易いと思われます)又、弟曰く地下室では、湿気対策として24時間空調を付けっぱなしで除湿し続けないと厳しいとのことでした。やはり、湿気が一番問題で、地下室を書斎(本は一番湿気に弱い)にするケースは聞いたことが無いとのことでした。

通常ベランダ等に施工するFRP防水も保障期間は10年です(半永久的な防水材はありません)。ベランダなら10年後にその上から再施工出来ますが、土の中の基礎の外周部を再施工することは不可能と言えます。万が一漏水した場合は内装を全て剥がして内側からしか止水するしかありません。しかし、内側から防水を施工しても基礎内部には、水が浸透し基礎の鉄筋を錆び付かせることは阻止出来ません。

以上の理由から米国でも地下室の利用は減少し続けていると思われます。正直私もお客さまから地下室の希望があったとしても、後々お客様が困ることが分かっていることは丁重にお断りすることでしょう。

下記サイトでも地下室の問題点が掲載されています。

The 10 Most Common Basement Problems