安城市内でクラフツマンスタイルの輸入住宅が間もなく完成する。ドライウォーラが室内の自分の仕事以上に外観が気になり、腕組みをしながら外装職人の仕事を見守っている。時折、足場の上の外装職人と、こうした収めにした方がもっと格好いいんじゃないか?と話している。作業をする職人たちから誇りが感じられる。

当初、日本では見慣れないデザインにお客様も迷いが生じ、一時は図面の変更を考えられた。しかし、最終的には私たちスタッフに任せて頂いた。

高飛車に聞こえるかもしれないが、事実だけお伝えすると素人の方が図面をこねくり回すと何処と無くおかしな部分が生じてくる。一生に一度の家づくりに熱が入ってしまうことは理解できるが、図面をこねくりまわす程、長いスパンで考えると結果的にユーザー自身の満足度も低下する。(能力のある設計士であることが前提)

この家は間違いなくユーザーの満足度は持続するだろう。ミーハー的な輸入住宅でもなく、大凡海外にはこの様なデザインは無いでしょう?と思う成金好みの輸入住宅でも無い。「暮らしている方の感性の豊かさが感じられる大人の為の輸入住宅」そんな住宅になると思う。

現場の職人から聞いた話しだが、複数の道行くお年寄りからも評判がいいらしい。お年寄りは、ミーハーな若者の輸入住宅には興味を惹かれない。足を止める理由は、子供の頃に見た明治、大正、昭和の初期に全国で沢山建てられた西洋館の微かな記憶からだろう。

子供の頃に見たものを想い出すと、幼かった頃の自分自身が愛しく人は優しくなる。

「何処と無く懐かしさを感じるデザイン」は、見る人全てを優しくしてくれる。これは安城建築の重要な設計思想のひとつである。

間もなく完成する安城市B邸

見た目はヤンキー親父だが、トコトン納まりを考え、より美しく見える様に考え抜く職人を私は知らない。神の手を持つ職人である。いくら素晴らしい図面が出来ても、彼の様な職人が居てくれるからこそ、安城建築の家に更に磨きが掛かっていくことができる。

 

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充