日本古来の五重塔の制震構造や刀の弧を描くデザインをベースに最先端技術で建築中のスカイツリー。かつて東京タワーが国民の誇りとなった様に、出来ることならドバイのビルを凌ぐ世界一の高さにして欲しかったものである。

同行した建築家の手塚氏は幼い頃、建築中の東京タワーを背景にお父さんに撮影してもらったスナップ写真が残っているらしい。東京タワー建設から約半世紀後、建設中のスカイツリーの前に立つのも不思議な感覚だったと思う。

ランチは両さん(こち亀)の愛する浅草で美味しいあなご丼を頂き、午後からはバリアフリー体験。

二十歳の頃、バイク事故により病院内では車椅子の経験があったが、実際の家となるとやはり不都合な点が多いことに気付く。その一例としてドアは開けることは出来ても閉めることは容易ではない。

ケアマネージャーの方曰く、温度差による事故が多く、建築費がかさむという理由で国内ではまだまだ広まっていないが、温度差のバリアを無くすことがとても重要だと言われた。
北米では、家の中どこでも温度差の無い快適な室内環境をつくり、重度の身障者でない限り、適度な段差を設け自由に動き回れる方が身体機能が落ちないと考えられている。

今回の体験により、我々が推奨しているオープンプランニング(間仕切りを少なくし、開放的で連続する間取り)は身障者にやさしい間取りだと再認識した。
安城建築では、健常者の方が建築当初から完璧なバリアフリー住宅にする必要はないと考えている。後々必要となった際、少ない費用でバリアフリー住宅にすることの出来る家が望ましいと考えている。

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充