「老舗の赤福までもかぁ?!」と思った。

老舗の経営者は歯車であると思う。もし、真の使命感を持った経営者だったとしたら最大の歓びは安定経営である。その逆に最大の痛みは先代が積み上げてきた信用の失墜と次世代にバトンタッチが出来ないことだと思う。

金儲けが悪いということでは無いが、赤福の社長は何を手に入たかったのだろうか?
既にお金で手に入れられる物は全て手にしていただろうが、
最後まで『物質的な豊かさが、成功の証』だと思っていたのだろうか?
物質的なものは瞬間的には優越感に浸れる。しかし決して心は満たされない。
どうしてそれが解らないのだろうと実に不思議に思った。

そして、信頼を裏切られた消費者以上に、赤福で働くことを誇りにして今まで共にやって来た社員とその家族はとても悲しく思っているだろう。

私が幼い頃、曾お婆さんが言っていたことを思い出した。「御天道様(おてんとうさま)が見ているよ」

伊勢神宮の目の前である赤福は30年間も悪事をしていながら、神のお膝元ということで神様も特別に見守りながらも様々なシグナル(不二家やミートホープ)を出し続けくれていた。しかし、そんな神様からのシグナルに赤福は気付けなかった。失敗や過ちは誰にでもあると思う。しかし、後からバレルことと、正直に話すとでは天地の違いがある。

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充