K様邸の点検を終え、帰り支度をし始めるとK先生(いつも私がそう呼んでいますので)から『社長さんちょっと食事に行きましょう』と。ランチのお誘い。

点検で訪問して食事のお誘いをされたのは初めてで一瞬躊躇しましたが、折角のお誘いなのでご一緒させて頂きました。

K先生は、二年前の新聞の切り抜きを私に差し出すと、『社長さん以前この高校のPTA会長さんでしたよね。今度お会いした際、渡そうと思い切り抜いて保存しておきました』と言われ、そんなことまで覚えていてくれるとは・・・と感激した次第です。

食事をしながら、K先生のお父さんが出兵した時のお話、遠方の激戦地へと出撃する直前、三重県の軍施設へ訪問し、最期の別れとなった駅での情景。空襲で赤く燃える名古屋の街の様子。戦争でお父さんを亡くし、農地解放で田畑を失い、お米や大切なお金さえも戦後の混乱期に泥棒に盗まれながらも子供達4人を育ててくれたお母さんの話。そして、K先生がこの歳になるまで誰にも言えなかったと言うご本人のカミングアウト。

K先生からしたら私なんぞはまだ小僧にも関わらず、様々なことをお話しをして頂き、仕事を通じてこの様な関係性に至ったことに深く感謝です。