またひとつ、日本が世界に誇れる建築物が消える

以前、この日記でもご紹介したことのある愛知県農業大学校の『追進館』。
和洋折衷建築で、正しく人の感性に響くものを感じます。プロポーションこそシンプルですが、緻密に計算された細部のデザインは、一見、水と油ほど異なる伝統的な和と伝統的な洋が絶妙にブレンドされ、そこにデザイナーの新しいものを生み出そうという信念が加わると画期的なデザインが生まれるのではないかと私は思います。

おそらく、この『追進館』を小学生が見たとしたら、誰一人古臭いデザインだという子は居ないと思う。築80年で物質的な老朽化は避けられないかもしれないが、デザインの老朽化は全く感じません。80年経てもその凛とし清々しく、美しく、人の気持ちを和ますこのデザイン力に敬意を称します。

私はこの和洋折衷建築は、日本が世界に誇れる建築様式だと思います。