アール階段昨年末に完成した現場のアール階段の施工写真である。

このアール階段は奥様の一番の夢だった。限られた予算で如何に美しい曲線階段を造りあげるかは、現場監督と大工の腕の見せ所。手摺の部分は薄く何枚かにスライスした手摺を湾曲にしながら接着剤で接着し、万力(締め付ける道具)を多用し締め付け3次元に組み上げていく。いくら締め付けても万力を外すとわずかにアールの角度が開く。この戻り具合は職人の勘に頼るしかない。万力を外した時、階段との曲線がピッタリと合う。この瞬間、私は職人の神業に驚嘆する。


この施工は相当な技術を要する為、大工の中でも極めてレベルが高い職人のみが施工する。年に数度、同業他社より、弊社に施工の依頼があるのもその様な理由である。

この写真では見えないが、階段底面のドライウォールも実に滑らかに3次元曲線を描き、超一級品に仕上った。

手間も時間も要する仕事だが、真の職人魂を持った職人はこの様な難しい仕事程、やりがいを感じている。

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充