現在、弊社で建てられるお客様の8割以上の方々が全館空調を採用されているが、もし再度家を建てる機会があったら欲しい設備は?という問いに全ての方がセントラルヒーティングと答えられる。
私が高校生の頃(25年程前)米国にホームステイした時、既にセントラルはどの家にも当たり前の様にあった。
まだ我が国では、住宅会社の宣伝文句として、全館空調は「家中が一定温度になり快適に暮らせます」そんな感じだろう。しかし、本場の考えは少々違う。家は人生の豊かさを感じる為にあるとされ、人生の豊かさ=家族との時間と考え、家族の顔が見えるオープンな間取りを支える為に全館空調システムは無くてはならないと考えられている。
例えば、全館空調を採用することにより、階段は上り下りするだけの場所では無くなり、その段差を利用して子供たちに本を読んであげるステージにもなる。言うなれば暮らしが変わるのである。
又、米国のバリアフリー住宅の考え方は我が国と違う。全館空調を入れることにより、温度差を無くし、自由に動き回れる様にする。そして、家の中に段差を設けることにより、リハビリ効果を持たせる。これが本当の健康バリアフリー住宅だと言う。確かに、家の中での死亡事故は段差によるつまずきでは無く、温度差による脳卒中がワーストワンである。
どうして我が国ではその事実が言い換えられてしまったのか?理由は簡単である。段差を無くすことは簡単であるが、家の中の温度差を無くすことは見た目には判りにくく、エンドユーザーには伝わりにくい。手間もコストも掛かるわりに営業販売的なメリットがないからである。しかし、暮らし始めるとその差は歴然である。

一番気がかりなのは電気代だと思う。40坪程度の家で、真冬24時間運転し13000円程度である。(次世代現場発泡硬質ウレタン+UVカット断熱アルゴンガス入り樹脂サッシ)因みに土壁の家の場合、単純に5倍の電力を消費すると予想される。

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充