先日、日本における輸入住宅のリーダー的存在である建築家の手塚氏と初夏の明治村を2人で訪れた。この明治村にある建物は、神社仏閣に次ぐ日本が世界に誇れる優れた建築であり、西洋建築、折衷建築が好きなひとにとっては聖地だと感じる。

この明治村は今から44年前、当時の名古屋鉄道社長土川元夫氏が同級生だった谷口吉郎(初代明治村村長)と共に、戦後の急速な経済発展の影で失われて行く明治時代の建物に心を痛め、残さなければならないという強い信念の元に実現した村である。これだけの施設を民間レベルで保存しようと考えた当時の名古屋鉄道の社長に敬意を称したい。維持管理費を考えると、採算は取れていないと思う。

十数年前、米国の建築家と明治村に訪れた際も「どうして、これだけの素晴らしい建物を切り捨てて行ってしまったのですか?」と言われた。現在の日本の建築と見比べての率直な言葉だったと思う。

初めて明治村を訪れた手塚氏は、ライカ(クラシックカメラ)を覗き込みながら、「とても勉強になります」と言われた。

安城建築を支持して頂くユーザーの中には明治村が大好きな方が多い。その理由を知って欲しくて今回、手塚氏に同行して頂いた。共感と軸が更に強固なものになったと感じた1日だった。

明治村のHPはこちら⇒http://www.meijimura.com/

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充