安城建築のこだわり
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注文住宅とは?
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約40年前、私が初めてシアトルとバンクーバーの住宅地を視察した際、最も衝撃を受けたのは、住宅地の美しさと、築100年を経てもなお美しく資産価値を保っていることでした。先進国の中で、住宅が長期にわたり資産価値を担保できないのは唯一日本だけであり、安城建築は、日本においても住宅の資産価値を持続できることの実現を目標とし、米国の注文住宅(設計思想)を手本として歩んでまいりました。
この時の視察でもうひとつ驚いたのは、住宅に対する暮らす人の想いです。日本では、耐震性や断熱性など、より性能の高い家こそが最高の家であるという、量産メーカーの啓蒙による認識がありますが、米国においてそれは、マズローの欲求段階において低い位置に相当します。米国では、住宅の性能は中の上程度であれば十分であり、極寒地仕様のスペックを求めるよりも、レーダーチャートでバランスの取れた家の方が、結果的に満足度が持続すると考えられています。
以前、弊社のモデルハウスのデザインを依頼した米国の建築家を、日本のハウジングセンターへ案内したことがあります。その建築家は、「なぜあの家のベランダに像が乗っているのか」と尋ねました。私は、「象が乗っても壊れないほど丈夫な家であることが、このメーカーの売りなのです」と答えました。すると彼は、「家で象は飼わないから意味がないね。仕事から疲れて帰ってきても、またオフィスのような家はアメリカ人は嫌だね。」と話してくれました。
米国において住宅とは、心の充足と豊かさを得るための、かけがえのない場所です。マズローの欲求段階で例えるなら、第5段階、さらにはその上の第6段階である利他の領域に属するものが求められています。それは建築が完了した時ではなく、引き渡し後、お客様の日々の暮らしの中から、いつの日か第6段階である利他の領域に至る実話が生まれたとき、その目的が達成されたと言えるのです。
外観デザインに関して、日本の多くの住宅は、その時代の流行を追い求める傾向があります。しかし、そのような住宅は、果たして30年後も人々を魅了し続けることができるのでしょうか。(魅了できれば、資産価値は持続します。)流行のデザインを採用することは、例えるなら流行のファッションと同様です。機能的に問題がなくても、流行遅れとなり、暮らす人の満足度を低下させてしまうというデメリットを伴います。米国の住宅は、築30年を経ても感性価値が衰えず、暮らす人や道行く人々を魅了し続けるものでなければならないと考えられています。そうなると、伝統建築ばかりになるのではないかと思われるかもしれませんが、決してそうではありません。伝統的デザインをベースとしながら、そこにスパイスとして、クラシックの中にも未来へのワクワク感を感じさせるデザインが用いられています。例えるなら、半田市のミツカンミュージアムのように、クラシックとモダンが絶妙に融合したものです。あのデザインは、ミツカンの歴史と未来への挑戦を感じさせ、見る者に高揚感を与えます。
また、間取りやインテリアにおいての違いとして、玄関ドアを開けた瞬間に、心が躍るような高揚感を感じられる点が挙げられます。限られた床面積であっても開放的で、狭さを感じさせない間取りには、オープンプランニングという設計手法が用いられています。もちろん、弊社のモデルハウスにもこのオープンプランニングの設計手法が採用されていますので、ぜひ体感されることをお勧めいたします。
弊社では、注文住宅の設計に着手する前に、皆様に設計要望書をご記入いただいております。さまざまなご要望がありますが、最終的に「どのような家にしたいですか」という問いに対して、最も多い回答は「家族が笑顔で幸せに暮らせる家」です。注文住宅の最終目標は皆様共通の想いであり、その想いを中心に据えて家づくりを考えていくことが非常に大切であると感じております。
上記のデザインや感性価値に加え、耐震性能や断熱等級などの性能について、建築技術者として、机上の理論ではなく、実際の工事現場に携わってきた立場から意見をお伝えいたします。耐震等級の数値計算において、硬質ウレタン(水発泡系以外)を充填することで耐震性能は大きく向上しますが、それが数値計算に反映されていない点。また、断熱等級に関しても、これだけ猛暑日が続くようになっているにもかかわらず、蓄熱材である断熱性能の向上だけが評価され、遮熱が数値計算に組み込まれていない点については、消費者に対して極めて不誠実であると感じております。
最後になりますが、長年建築に携わる中で、確信に近いものがあります。手づくりである注文住宅には、造り手の「気」が宿ります。だからこそ、お施主様と造り手との間には、深い信頼関係が必要不可欠なのです。
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輸入住宅とは?
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愛知県犬山市にある明治村は、明治時代の輸入住宅かと思っております。
当時の一流の宮大工が海外の伝統建築を謙虚に学び、日本の気候風土を考慮し、日本の建築資材を用い、そして自らの匠の技術と融合させて建物を造り上げました。
その建物は100年を経た今でも人々を魅了し、お金を払ってでも見学したいと思わせる価値を持ち続けています。そしてその価値は、さらに100年後も人々を魅了し続けると確信しています。明治村は、私安城建築の代表である浅井宏充が輸入住宅を手がけたいと考えた原点です。
安城建築が考える輸入住宅のデザインは、流行に左右されない正しい伝統的デザインを基盤としながら、時代のトレンドを“スパイス”として取り入れることにあります。それにより、クラシックの中に未来的なワクワク感を感じさせる、独自の魅力を持つデザインが生まれます。
このようなバランスは米国の優れたデザイナーの真骨頂であり、一歩間違えればアンバランスになりかねない高度な技ですが、だからこそ、安城建築としても最も模範とすべき考え方だと捉えています。
愛知県内の身近な例で言えば、ミツカンの資料館(酒蔵のクラシックモダンスタイル)です。感性に響くデザインが実現されたとき、暮らす人や道行く人の“懐かしさ”という情緒的な感性に触れ、人は自然と優しい気持ちになります。
しかし現実には、一級建築士の中であっても、正しい伝統的デザインの流れを熟知しているデザイナーはごくわずかであり、0.1%にも満たないと感じています。デザイナー自身が伝統的デザインを学び続けなければ、長年にわたるユーザーの満足度、資産価値の持続する輸入住宅とはなり得ないのです。
上記に加え重要なのは、現場監督・インテリアコーディネーター・職人によるプロフェッショナルチームの存在です。どれほど優れたデザインであっても、その意図を正しく汲み取り、日本の気候に適応させながら、装飾パーツの細部まで緻密に納め、実際に形にする総合力が不可欠です。
そして、完成度の高い輸入住宅を実現するためには、お客様には見えない“舞台裏”において、細部の納まりに手間と時間を惜しまない姿勢が求められます。
施工においては、日本の気候風土を十分に考慮した創意工夫が必要です。例えば、寒冷地の住宅仕様をそのまま適用するのではなく、真夏に40度近くまで気温が上がる愛知の環境では、高断熱に加えて高い遮熱性能を組み合わせる必要があります。
また、建材選定においても配慮が重要です。装飾性が求められる部分には輸入建材を用いながら、将来的にメンテナンスが必要となる部分には国産建材を採用するなど、長期的な視点での判断が求められます。
輸入住宅を求める方には、大きく二つのタイプがあると考えています。一つは、自己顕示欲を満たしたい方。もう一つは、クラシックなデザインから情緒的な価値を感じたい方です。
安城建築は後者、すなわち“情緒的な感性価値”に共感される方を、全力で応援していきたいと考えています。