本日、弊社のモデルハウスで映画の撮影をしたいという女子大生が来られた。
お母さんがスペインの方で、米国と日本とスペインを行き来し、間もなくイギリスに留学するらしい。3ヶ国語を話す才女である。

「フロリダの家(アメリカにある彼女の家)に帰ってきたようです」と彼女は言った。本場の方からこの様なことを言われると正直嬉しい。

彼女との話しの中で日本人の感動体験の少なさに気付かされた。残念ながらこの国では感動体験を得る機会は極めて希少である。
米国での感動体験は、場合によっては商業的な部分もある。しかし、感動体験が無いよりは遥かにいい。感動体験の数と「感性の豊かさ」は比例すると思う。

日本人は物質的な欲求を追い求めてきたが、心の空虚感が残る様になって来た様に思える。
米国におけるカスタムハウス(注文住宅)づくりは、「ユーザーの生き方」を反映した家づくりをしているらしい。それは地震に強いとか断熱性能が高い等の物質的な要因ではない。(既に米国ではその様なことは当たり前だとされている為)
その家に暮らすことにより、いかに「心の豊かさ」を感じられるかを真剣に考えている。

人は便利さや機能性だけでは、心の豊かさは感じられない。例えば、外観デザイン。クラシックで、何処と無く懐かしさを感じることができれば、人は優しい気持ちになれる。例えば間取り。オープンな間取りにすることで、家族の微妙な心情の変化を察することができ、人生で最も豊かさの源と言われる家族の絆を深めることへと繋がる。家づくりは工夫次第で人の感性や気持ちを豊かにすることができる。

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充