今から40年前、私が高校生の頃、クリスマスの時期に米国の一般家庭数件を訪問させてもらい、どの家にも全館空調があり、家中何処に居ても快適で、衝撃的でした。その快適性を日本でも再現したいと考え、弊社が全館空調を導入し30年弱となり、私の自宅も含め相当数の全館空調を設置して参りました。

昨今ではハウスメーカーも全館空調を導入し始めていますが、弊社の長年の経験から全館空調のメリット、デメリットもはっきりして来ました。

■全館空調のメリット

⇒インテリアの見える部分が噴出し口だけなのでスッキリしている

⇒家中何処に居ても快適(皆さんが異口同音に言われます)

⇒花粉症の症状が無くなった(高性能電磁フィルター搭載モデルの場合)

⇒全館を冷暖房する場合は全館空調の方がランニングコストはお値打ち

■全館空調のデメリット

⇒修理費、交換時の費用が高い(故障のタイミングは統計的にフル稼働時の真夏、真冬が多い)

⇒一台が故障すると全てのシステムが停止する為、特に真夏に故障すると耐えられない。

⇒ダクト内部の清掃が出来ない(先行配管で壁天井内にダクトを設置する為、ダクトの交換清掃が極めて困難。特に電磁フィルターの無いタイプの全館空調の場合は、ダクト内部の汚れが顕著と言えます)

⇒メーカー外の全館空調の場合、アフターメンテナンスに不安

全館空調以外にも現在では、ルームエアコン一台の全館空調もありますが、ダクト式の場合、通常の全館空調同様、ダクト内部の清掃は出来ないと思って下さい。又、ルームエアコンによるダクトレス全館空調もありますが、吹き出し口から遠方になればなるほど吹き出し温度を伝えることが難しく、建物の体積、間取り、サッシ開口部の大きさ、建物の形状やデザイン等の制限がかなり厳しくなり空調ファーストで設計する必要が生じます。