100倍発砲の硬質ウレタン断熱材(スポンジを連想して頂けると分かり易いと思います)は比較的安価な為、多くの住宅に使用されています。しかし、その多くが壁体内結露のことを充分に理解せずに施工していることが問題の様です。

ツーバイフォー工法や在来工法で外壁に構造用合板を張る仕様の場合に、100倍発砲を使用する際は、室内側に完璧な防湿シート(シートを張っただけではNGで空気が漏れないレベルの気密性能が求められる)を施工しないと壁体内結露を生じてしまう危険性があるとの事です。(構造用合板が無く、透湿シートに直接施工する場合は結露しない)

その理由は、100倍発砲断熱材は空気を通してしまう為、空気と同時に水蒸気も室内から壁体内に透過してしまう為です。(水蒸気を通す事により室内の熱も奪われ易くなり断熱性能は低下する)

計算上防湿シート不要との見解もありますが、断熱材メーカー曰く、湿度60%での暮らしを想定しているとのことで、洗濯物の室内干し、鍋、ガス及び石油ストーブ、多数の観葉植物等の水蒸気を伴う暮らし方は計算値に含まれていません。湿度計を設置して頂くと判りますが、湿度60%は状況によりオーバーすることは多いと言えます。

壁体内結露は文字通り壁の中で生じるので目視することが出来ず、目視した頃には手遅れとなります。その様な理由で弊社では透質性がほぼ無い、次世代フロンを使用した50倍発砲の断熱材を使用しています。

売りやすさを考えれば、見える部分にお金を掛け、見えない部分はコストをさ削減することがセオリーですが、私は技術者としてどうしても譲れないのです。