石膏ボードは、焼き固めた石膏を紙で被服した板状の内装材であり、通常、天井や壁に
使用される。石膏ボード下地にドライウォールを施工する場合は全てビスで留めてい
く。理由は、ビスで施工した方が引き抜き強度が高いことと、下地の木材に石膏
ボードを引き寄せながら留めることができる為、下地の木材と石膏ボードとの間に隙
間が生じにくい為である。

石膏ボード張りで最も注意しなければならないことがある。それは、表面の紙を破か
ない様に且つ、表面の紙より凹ませてビスを留めなければならないということだ。
言うのは簡単だが、極めて神業に近い。(全てのビスを同様に留めることは事実上
不可能だが、上記の様なビス留めが多ければ、その職人は極めて腕がいい証である)

紙が破けてしまえば、締め付けの強度は落ち、ビスの頭が飛び出ていれば、ドライ
ウォールのパテ処理の際、パテヘラがビスの頭に引っ掛かりスムースにパテを盛るこ
とが出来ず、ドライウォールの精度が低下してしまう。

一見単なるボード張りだが、結構奥が深いのである。

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充