東北の震災から早12年。遠く離れた場所に暮らしているともう過ぎ去った過去の出来事の様に感じます。

三年程前に東日本大震災・原子力災害伝承館が双葉町にオープンし、実話に基づく映画Fkushima50は日本人として観ておく必要のある映画だと思います。そして私自身、建築に携わる者として福島の今を視察しおかなければと思い、深夜の高速をひたすら北上し、往復1200キロを一泊3日の強行スケジュールで行って来ました。

2日目は原発近くのビジネスホテルに宿泊しましたが、原発の廃炉工事に伴う作業員と思われる多くの若者が、宿泊されていました。廃炉にはまだこの先30年を要するそうで、作業員の皆さん将来放射能の影響が心配されていると思います。しかし、誰かがやらなければならないのは事実です。作業に従事してくれる皆さんに胸の中で手を合わせる思いでした。

原発周辺では、家主不在の建物はまだ数多く、12年前からまるで時が止まったままです。双葉高校もグランドには草が生い茂り、人が居なくなり自然に飲み込まれて行く姿をリアルに感じます。

話は少し余談となりますが、さだまさしが被災地を巡りながら支援コンサートを行った際、被災された皆さんが異口同音に言われたことは、『こんな事が起こると分かっていれば・・・』だったそうです。

下記写真は伝承館に展示されていたものです。これらの写真からは、形容し難い複雑な思いが込み上げて来ました。

まだ立ち入り禁止のアリアも複数あります

遠方にクレーン車が見える場所が福島第一原発

復興の工事の中の虹に希望を感じました。