車での移動中、ある建築様式を模範されたと思われる建物(それなりにお金は掛かっていそうな建物)を見てデザイナーの手塚氏が『とても残念ですね。もう少し手を加えればもっともっと良くなるのに・・・』
しかし、このもう少しと言うのが、前回の普通のちゃんぽんと極旨のちゃんぽんとの違いの差を生み出し、そのほんの少しの差を乗り越えることが極めて難しく所謂、そこが職人の技と粋によるものが無ければ到達出来ない領域と言えます。
もう長年お付き合いしていますので、そのひと言の奥に手塚氏が思っていることが大凡解ります。
そのひと言を解説すると、今現在、素人の方が見ればそれなりに素敵と思えたとしても、将来、近くに美を考え尽くされた建物が出来た時、当然のことですが、比較対象となります。その時のお客様の大きな落胆を想像してしまうのでしょう。
その様なことがあってはならない。それがプロとしての責務である。そう感じてのひと言だったと思います。
創業昭和四年 安城建築 浅井宏充