6月にも関わらず猛暑となり、熱の進入を防ぐ方法として建築の専門家も『断熱性能が高く+厚みを増す』ということを提案します。国の断熱性能値の計算も同様なので仕方ないかもしれません。
しかしこの考え方は年中寒い地域でしたら問題ありませんが、昨今の様に夏の猛暑対策を防ぐ為には、逆効果となります。それは性能が高く厚みを増した断熱材は、外気が涼しくなってもたっぷりと断熱材の中に熱を蓄え、室内側に放射熱として熱を放射し続けてしまう為です。
真夏にエアコンを切ったまま外出し、日が落ちて外気が涼しくなった頃に帰宅すると、外気より室内がとても暑くなっている経験はありませんか?それがまさに断熱材からの室内への放射熱によるものです。
世界一の住宅先進国である米国では、遮熱は断熱と同等に重要視されており、暑い地域の住宅で遮熱対策が施されていないものは確実に評価は下がります。
遮熱材もピンキリですが、人口衛星等に使用される遮熱材は軽量極薄にも関わらず、プラス100度~マイナス100度の様な極端な温度差の環境より機器を守っています。
年々地球温暖化が進む今日、住宅にこの遮熱を組み込まないのは、残念ながら日本の住宅性能値には遮熱と言う概念が全く無い為です。
私が思うに断熱協会と政府関係機関との関係性に深い闇があるのではと感じております。
※断熱材(グラスウール・ロックウール・発砲ウレタン等)⇒熱の伝導を遅らせるもの(蓄熱する)
※遮熱材(アルミ素材)⇒熱そのものを反射させるもの(蓄熱しにくい)