
次男が一級建築士製図試験3回目(背水の陣となる最後の試験)に向けて本腰を入れ始めた頃、一枚の合格祈願の紙が事務所の神棚に置かれていた。そこには次男の名前とこれまで一緒に学んで来た仲間の名前に加え【祝全員一級建築士設計製図試験合格しました】と書かれていました。
今回の製図試験は3回目のラストチャンスであり、これを逃すと再度学科から試験の受け直しとなる為、今回の製図試験は人生最大のプレッシャーだったに違いない。
試験直後、大きなミスをした事が判明し、かなり落ち込んでいる様でした。当然ですが、今回を逃すと再度学科試験からやらないといけない為、あの苦しみを思い出し心が打ち砕かれ、ドン底の思いだったと思う。
どうも発表直前、不合格の可能性が高いと感じていた為、その恐怖が波の如く押し寄せる中、メンターである現役パイロット&パイロット教官のAさん(私もとても尊敬している人格者)より心構えの助言を頂いた様でした(私は詳しい内容は知らないが・・・)
余談ですが、私自身、合格発表までの間に受け取る外応から合格しているのではないかと常々思う現象がありました。(次男には発表前には伝えませんでしたが・・・)
結果は合格。一番驚いたのは当本人だったに違いないでしょう。親しい仲間の1人は不合格となっていたことをとても残念がっていましたが、とてもいい仲間達だったと話してくれた。軽々しく戦友と言っては戦争で亡くなれた兵隊さん方に失礼かと思うが、それに似た様な、共に苦難(学科~製図を通しての合格率は10%程)を乗り越えた同士という感覚があったと思う。
試験後の資格学校での製図採点で100点の人が合格発表では不合格。絶対に受からないと言われていた人が合格。合格ライン付近までは実力が必要であるが、特に製図の場合、AIが採点する訳ではないので、採点者も複数居て、どの採点者に採点してもらうかによってその判断も異なってしまう。合否のラインは紙一重で天国と地獄に振り分けられてしまう。まさにこの紙一重の部分には目に見えない何かしらの采配により合否が分かれてしまうと感じてなりません。いずれにしても一級が取れたら生涯安泰などと言うことは無く、あくまでもスタートラインに立つ資格を得た他ならない。
下記ドラゴン桜の阿部寛の名言
『人生で一番大事なのは、東大に行く事でも勝つ事でも結果を出す事でも無い。目標に向かって過ごした一分一秒、自分の人生を変えようとがむしゃらに努力したその道のり、熱意、そして仲間への想いそれこそに価値がある。お前らにいつか俺が言った言葉覚えてるか。クソみたいな人生を変えられるのは自分しかいない。人は誰かを変える事なんかは出来ない。だがよく覚えておけ、お前らが真っ直ぐな思いで突き進む時、その姿は他の誰かを動かす原動力となる。自分を信じて真っ直ぐ突き進め、そうすれば、いつかその姿は人に勇気を与え希望を与える。お前らの熱意、努力、思いやりが周りの人間を突き動かす。いいか自分の信じる道を行け』