『エルメスの道』とは、エルメスの歴史(実話)を記した漫画であり、エルメスの社長自らが日本の出版社に作成依頼をしたものです。
創業者が頑固一徹の職人だったため革の馬飾りから始まり、1878年パリ万博に出品した馬具の鞍がグランプリを受賞し、世界にその名を知らしめることとなる。
時代は、産業革命と共に乗り物も馬車から自動車へと変わり、エルメスもイノベーションにより、馬具から鞄等に商品の中心を移し、女性から圧倒的な支持をされる。
驚異的な発展をし続けたエルメスも1929年のブラックマンデーを期に破産の危機に直面することとなる。しかし、この破産の危機を救ったのは、「3年間の期間をもって支払いを待つ」という提案をした職人、社員及び協力業者達だった。
1970年代。一流ブランドがこぞってブランドの名義貸しにより、莫大な富をえる。しかし、当時、エルメスの社長だったロベール・デュマは断固として受け付けなかった。
「名は売るべきものではない。エルメスの製品はエルメス自身が作るべきだ」と。
今現在、一流ブランドのトップに君臨するエルメス。その本社の心臓部では、馬具の鞍づくりが継承され続けている。
真のエルメスファンは、エルメスの企業理念とその理念に反しないブランドエルメスの姿勢に共感していると私は思う。
創業昭和四年 安城建築 浅井宏充