安城建築

社長BLOG 2016.07.30

『似て非なるもの』

十数年前に長崎を訪れた際、諫早に暮らす知人と合流し、麺好きの私からのリクエストにより、地元のひとも一押しの『江山楼』のちゃんぽんを食べに連れて行ってもらいました。

メニューのちゃんぽんは少々高目だったと思います。出されたちゃんぽん、料理超ど素人の私がパッと見た感じでは、一見すると何処にでもある普通のちゃんぽん。

しかし、ひと口食べて唸りました。『何これ?こんなに美味しいちゃんぽん食べたの生まれて初めてだわ!!』

それはそのはず、ちゃんぽん激戦区の地元長崎で地元の人が一押しするちゃんぽんですから。愛知に帰ってから愛知で美味しいと言われるちゃんぽんのお店に何度か行きましたが、やはり江山楼のちゃんぽんはダントツの美味しさで、それを越えるちゃんぽんは食べることは出来ませんでした。おそらく食材こそはそれほど大きな違いは無いと思います。違いはやはり『調理人』。

これはちゃんぽんだけのことではなく、人の手を通して造られる様々なものづくりに精通することだと思われます。勿論建築にも。

知人の設計事務所の建築士さんが以前、こんなことを言っていました。同じ図面、同じ仕様書(同じ材料)を用いても携わる監督や職人の能力や意気込みによって全くイメージとは異なった建物となってしまう。設計士としては本当にそれが怖いことです。当然ですが、殆どのお施主さんはどの業者で造っても一定の完成度のものが出来ると勘違いしていると。

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充