私が人生の先輩としてお付き合いさせて頂いている不動産屋さんの社長からお聞きした話を少し皆さんにシェアしたいと思います。
先日、その不動産屋さんで土地を購入された方から家を処分したいと相談があったそうです。
よく話を聞いてみると、結婚生活がうまくいかず離婚するので家を売って精算したいということでした。
一般的にはその様な相談があれば、当然の様にそのまま話を受けて家を売る手続きをすると思います。
しかし、その話を受けた社長はお客様の話を聞いて、本当にやり直すことができないのか、もう一度夫婦でよく話し合ってみることを心からお勧めしたそうです。
結果としてそのご夫婦はじっくりと話し合いをしてもう一度やり直す気持ちになられたそうです。
実はその社長、誰もが羨むおしどり夫婦でしたが、数年前に病気で奥様を亡くされました。
細やかな気配りをされる実にいい奥様で私もとても良くして頂きました。
奥様が旅立たれ数年経つ今でも毎朝起きる度に、夢では無かったと実感するそうです。
ひとりになって味わった形容し難いどん底の悲しみとたまらない寂しさを時折話してくれます。
そんな想いは絶対に味わって欲しくない。そう思われての行動だったと私は感じました。
心ある不動産屋さんに出逢えたのも何かのご縁だと感じます。
このご夫婦の人生がより豊かなものになることを私も切に願います。
創業昭和四年 安城建築 浅井宏充