安城建築

社長BLOG 2024.10.03

まだ猛暑対策には高性能断熱材と思っていませんか?

断熱性能をマックスの断熱等級7にすれば、猛暑でも快適な室内空間が保てる。そう信じている方はまだ少なくない様です。

断熱材は文字から想像すると熱を断つ。絶つというイメージではないでしょうか。しかし、高性能な断熱材を使用しても熱の伝導を遅くするだけで、高性能な断熱材は高性能な蓄熱材と同じものとなります。その為、猛暑の際、室内側に冷却するものが無ければ、どんどん熱は断熱材の内部に蓄熱されて行きます。

その為、日が落ちて外気温が下がっても高性能な断熱材にたっぷり蓄熱された熱が放射熱として室内側にも熱が伝わって行く為、室内側は暑くなり、帰宅後にエアコンをONにしても効きも悪く電力の消費も多くなってしましいます。

上記の様に断熱材への熱の蓄熱を防ぐには熱が断熱材に入らない様にすることが求められます。その方法とは、断熱材の外側に熱を反射する遮熱対策を施すことにより熱の進入は大幅に削減されます。

人工衛星に覆ってあるカバーもアルミ若しくは銀を素材とした遮熱シートであり、宇宙空間のプラス100度~マイナス100度までの温度差から機材を守っています。

遮熱材の性能もピンキリで、大きく分けると安価な物はアルミの蒸着品(蒸発させたアルミを付着させたもの)高価な物はアルミをシート状にしたもので、更に高品質な物はアルミの純度が高いです。(純度が高い程反射率が高くなり遮熱効果が高まります)

因みに1㎡あたりのアルミ蒸着するアルミの量を1とした場合、アルミシートは100倍~200倍の使用量となります。身近なもので例えるなら100均のフロントサンシェードはアルミ蒸着品です。(蒸着品の中でもアルミの純度により性能の差があります)

話は少し余談となりますが、以前私も疑問に思ったのは何故アルミサッシは熱の反射率が低いのだろうと思いましたが、アルミサッシは強度を増す為にアルミ合金であり、アルミの純度が低いことと厚みがあるので反射率が極めて低下してしまうのです。

話を元に戻すと、年中寒い地域は別として特に猛暑日の多い愛知では、断熱等級を7にするより、6+反射率の高い遮熱対策を施した方が暑さ対策には遥かに有効的であることは間違いありません。しかしこの事実を国も建築のエンジニアもまだ充分に認知されていないことは非常に残念です。

現在施工中の田原市のH様は、現在横浜で弊社の全館空調を施工してくれていた職人さんの家を借家として借りられており、田原で家を建てたいと考えていますが、お勧めの業者さんはありますか?と聞かれ、弊社の建物の断熱、遮熱のことを現場で見てきた職人さんは、弊社を一押ししてくれたそうです。昔から同業の方から評価してもらえるのは実に嬉しいですね。