安城建築

社長BLOG 2010.01.19

カタログのスペックより、実話。

昨年完成したT様邸の点検にお邪魔させて頂いた。訪問の際、住み心地を伺うと「オープンな間取りでも全館空調のお陰で本当に快適です」とお話し頂いた。

実はこのT様、実家(築数年の新しい大手住宅メーカー)がお隣に建っている。当然のことだが、その2棟の違いをいつも体感されている。T様曰く、「実家はとにかく寒いんです。床も壁も机の上の置物までも・・・。この家が完成してから冬になって集まる場所が実家からこの家になりました」と嬉しそうに話してくれた。(お客様掲載許可済み)

話は変わって、先日弊社に長年通って頂いているお客様からこんな話を聞いた。同僚が○○ホーム(誰もが知る大手住宅メーカー)で軽量鉄骨の家を建てたのですが、暮らし始めての感想が「一戸建ては寒いですね」だったと言う。「家づくりの勉強をせずに家を建ててしまうことは本当に不幸ですね」と言われた。

更に話が変わって、これも実話であるが、築7年を迎えるお客様から伺った話。「丁度私たちと同時期に身内が大手メーカーで建てたんですが、初めての冬に遊びに行ってその家の寒さに驚いたんです。どうして同じツーバイフォーなのにこんなに違うのか?と」「年中Tシャツ一枚でいるのが当たり前だと思っていました」言われた。

スペック重視の大手住宅メーカーがどうしてスペックを言わない安城建築の家より快適ではないのか?と思われるかと思う。全館空調システムは入っていない。それが原因で快適では無いと思ってしまいそうだが、実はそれだけではない。

結論から申し上げると、単純に一部分のスペックだけでは快適さは実現できないのである。
同じ床面積で同じ能力の全館空調を入れても快適な家と快適ではない家がある。その違いはズバリ断熱性能や遮熱性能、空調設備、施工技術のバランスによって大きく異なる為である。

実際、様々な現場の空調工事をする職人曰く、同じ床面積の家に同じ能力の全館空調システムを入れても快適さはまるで違うと言う。

例えば構造材。構造材が木材の場合と鉄の場合を比べると、鉄の熱の伝導率は木材の500倍である。
家づくりを車の様にカタログのスペックだけで判断すると期待はずれとなる場合が多い。実際にその家に暮らしている方に直接訊くことが一番正しい情報と言えると思う。

以前、大手住宅ツーバイフォーメーカーでインストラクターを務め、様々な会社の現場の仕事をしてきた大工は、安城建築の家はオーバースペックだと言った。要するに目に見えない部分の仕様にこだわり過ぎだということ。

しかし、今回訪問させて頂いたT様はじめ、お客様から「物凄く快適で満足しています」と言われると、職人肌の私としては、こだわらずにはいられない。

⇒隠れてしまう部分こそ暮らし始めてからの違いが明確に解ります。職人曰く、「このウレタン断熱材も一度に発泡吹き付けせず、手間と時間は掛かかるが、数層に分けて施工すると同じ材料でも品質が上がり性能も上がる」とウレタンまみれの顔で話してくれた。

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充