昨年、ディズニーランドが開園25周年を迎え、過去最高益を更新した。ホスピタリティや開業来、アトラクションも少しずつ増え、ディズニーシーも開園したという理由もあるだろうがそれが最たる理由ではないと思う。
私が学生の頃ディズニーランドは開園し、建物(ここではクラシックスタイルの建物)も当時のデザインのままである。26年の時を経てもその魅力は変わらない。
ディズニーでは、子供の頃家族で訪れた時と同じアングル(同じ場所)で撮影する家族が多いと聞いた。何故か、クラシックな建物が背景に撮影されている。
不変的なクラシックデザインを背景に選ぶ理由は、おそらく「変わっていく自分や家族」が「あの時と変わらないこの場所」に立つことにより、人の感性にノスタルジーを感じさせ、「いろんなことがあったけど、こうして家族で困難を乗り越えてきたよね」と、自分自身がねぎらわれるのだろうと私は思う。
ひとは幼い頃に受けた悲しみを乗り越える為に生きていると聞いたことがある。もしかしたら、「変わらないあの場所(時が止った場所)に行けば、あの時の自分に出逢えて幼い自分を癒してあげることができるかもしれない」潜在的にそう感じているかもしれない。
ディズニーランドにより、不変的なクラシックデザインの建物は、ひとの心が癒され、ねぎらわれることが証明され、間もなく多くの人々がクラシックデザイン効用に気付き始め、住宅にも同様の効用(こころの充足)を求め始めると私は思う。
http://www.tokyodisneyresort.co.jp/
創業昭和四年 安城建築 浅井宏充