2025年に大阪万博が決定しました。今から48年前、記憶こそはありませんが、私も大阪万博に行ったそうです。その時感じた何かが影響しているのでしょうか、何故か太陽の塔に興味を惹かれるものがありました。
1970年の大阪万博のテーマは、『人類の進歩と調和』。しかしながら太郎は、人類は少しも進歩や調和はしていないと全否定。私なりの解釈では、確かに技術は進歩し、表面的に繕った調和が成されている様に見える。しかしながら、人間本来の魂は全く進歩していないとでも言いたかったのでは?と思う。
万博の1年前の69年に人類が月に降り立ち、その際に持ち帰った月の石の展示。動く歩道・・・まさに夢描いていた21世紀の街が万博として出現し、もはや人類に不可能は無いとさえ多くの人々は思ったことでしょう。しかし、太郎はそれとは真逆の想いをあの太陽の塔で人々に伝えたかった・・・しかしながら全く通じなかった。仕方ありません、そういう時代でしたから。
万博終了後、幾度と太陽の塔も解体の是非が問われましたが、人々がそれを許さず、結果的に永久保存が決まった。
私は5年程前から岡本太郎に感心を持ち、渋谷のアトリエや岡本太郎美術館を数回訪れました。そして思ったのは、太陽の塔そのものが、岡本太郎が追い求めていた岡本太郎ではなかろうかと。
太陽の塔は単なるモニュメントではなく、太郎自身の情熱とエネルギーが込められた岡本太郎自身であり、『人々の生きて行く勇気の象徴』となり、多くの人々の心の支えとなっているに違いない。