安城建築

社長BLOG 2016.10.08

幼少期、建築に興味を惹かれた原点、それが擬洋風建築。

擬洋風建築とは、幕末から明治にかけて文明開化の象徴として、西洋からの絵葉書等を参考にしながら宮大工が長年培ってきた社寺建築との融合により、日本全国、主に官公庁の建築物、特に学校建築として、数多く建てられました。

融合と言えば聞こえはいいですが、例えるなら背広にちょん髷は似合わないと誰もが思いませんか?。建築なら、外壁は様式で屋根は和瓦となると聞くと、やはりこれも変だと思うことでしょう。しかし、とてもマッチし、凛として威厳を感じつつ、何処と無く懐かしさを感じる建物となってしまうことは実に不思議です。

二十数年前、米国のデザイナーと共に明治村を訪れ、擬洋風建築を見てもらったことがありますが、日本にもこんな素晴らしい建物があったことをとても感心していたことを記憶しております。

この中日新聞に掲載された建物も擬洋風建築の一例。築100年も経ても新聞に掲載されるということは、価値ある建物であるという証明でもあります。人々から賞賛され続ける伝統的美しさを基本とし丁重にデザインされ、そして、このプロジェクトに携わったメンバーや職人達のプライドと想いが細部まで篭められて造られた建物は、100年経てもその魅力を維持し続けるという証明だと言えます。

実は、10数年前に現場監督もこの建物を視察(大学に許可を得て)し、モデリングして春日町のK様邸の家を建てさせて頂きました。K様は長年教師をされ校長先生を歴任されました。そのK様からご相談があった際、先生の人生を表した和洋折衷様式をお勧めしました。



創業昭和四年 安城建築 浅井宏充