昔の擬洋風建築は、日本の社寺建築と西洋建築との融合建築物である。一見、社寺建築と西洋建築とは水と油ほどの違いが有る様に思えるが、どちらも時代を超えて美しい。
社寺建築も西洋建築も同様に、その種の建築物が最も美しく見えるデザイン法則やルールを長い間守られ継承され続けてきた。
そのため、それぞれの建築洋式こそ異なっていても、子々孫々に至るまでの美しさを保ち続けることのできるデザイン生殖能力を持っている。だからこそ、水と油ほども違うデザインでもそれらが融合した建築物も美しいのでは?そう私は推測する。
細部を観ると、和と洋との融合を職人たちが試行錯誤した痕跡を見つけることが出来る。擬洋風建築はその現代の輸入住宅でもあり、現代においても学ぶ点が多い。
人の感性に響く建築物として、擬洋風建築は日本を代表する名建築だと私は思う。
創業昭和四年 安城建築 浅井宏充