現在、私の大好きな明治村で定期的におこなわれている明治塾に通っております。教室は、私が学生時代に一目惚れした三重県庁舎!!全くもっての勉強嫌いの私ですが、三重県庁舎で学べるということで、教室に初めて入る時は妙にドキドキして嬉しさが込み上げて参りました。学生時代、授業が始まるまえのイャ~な緊張感とタメ息は毎度のこと。生まれてこの方教室に入る時、この様なワクワクしてスキップしたくなる様な気持ちでニヤニヤしながら教室に向かったのは私にとって青天の霹靂、初めての経験でした。
授業内容は、東京駅等、主に重要文化財の改修工事に携わった技術者のお話ですが、これが非常に興味深いものがあります。何度も修復を繰り返している建物は可能な限り完成当初のディティールを忠実に再現するために、昔の文献や写真を片っ端から探し出し、間違い探しの様です。部分的に解体すると壁の中から現れた部分には今は亡き技術者や職人の仕事に対する『粋』を感じる仕事を発見することも多いそうです。
その『粋』を伝承しつつ自分達が持つ最高の技術と技を惜しみなく投入し、また次の世代の技術者や職人に託す。勿論、次回の修復時には今回携わった技術者、職人は生きていないでしょう。しかし、自分が亡きその後も次の世代の技術者や職人に絶対に恥じない仕事を遺さなければならないという責任感は本物のプロフェッショナルだと感じます。
技術者、職人としてのプライドと威信を懸けてのこれら重要文化財の改修仕事には、男として、同じ仕事をしている者として心底痺れます。
明治村は、言うなれば、明治時代の輸入住宅。我が国が世界に誇ることの出来る建築物が数多くあり、私にとってここは聖地そのものです。
創業昭和四年 安城建築 浅井宏充