「バリアフリー」と聞いて何をイメージされるだろうか?ユーザーの多くは、バリアフリーと聞くと、「段差がない家」そんな感じだろう。
日本において住宅の中での死亡率のナンバーワンは転倒によるものでなく、温度差による脳梗塞である。事実、事故が起こる場所は、浴室やトイレなど温度差によることが原因なのである。
米国では家の中にあえて段差を設ける場合も多い。インテリアの変化をもたらすことの他、リハビリの効果を持たせてあるという。当然だが、人間は足を上げずに済む環境下に置かれれば、次第に運動機能も低下するからである。
米国では、バリアフリー=「家中の温度差がないこと」だという認識を持っている。その為、家全体を魔法瓶の様に断熱しセントラルヒーティング(全館空調)により、家の中快適に保ち、温度差による脳梗塞を防いでいる。
又、開放的で段差を用いた間取りにより、家の中を自由に歩きまわりながら、適度な段差によりリハビリ効果も持たせてあるのである。
では何故、日本のバリアフリーは、温度差ではなく段差のバリアフリーになってしまったのか?理由はシンプルである。安く造れ、ユーザーからも理解しやすく、簡単に売り上げに直結したからである。
創業昭和四年 安城建築 浅井宏充