『マイホーム選びには最低三社の相見積を取ること』この様な文章をネットや住宅雑誌で見掛けます。
しかし、私は建築業界に入って30年以上となりますが、①100分の1の図面(詳細の造り込みが解らない)、②仕様(隠れてしまう部分の仕様が解らない仕様書)、③チームメンバーの技量(デザイナー、現場監督、職人)全てが異なる見積を正しく比較することは不可能です。
私の師匠である戸谷英世先生が常々仰っていたことは、実際の施工例以上のモノは出来ないと思った方がいいと言われていましたが、その通りだと思います。
盛り沢山の希望を少しでも安く叶えたい・・・その気持ちは解ります。当然のことです。工務店側も仕事欲しさに調子の好い事を言うかもしれません。しかし、もし逆の立場だとしたら・・・仕事欲しさに安請けをすれば、目に見えない部分を削り、職人さんも安請けする技量の低い職人さんを起用することを考えないでしょうか。ユーザーの方は工務店やハウスメーカーを選べても職人さんの技量を知り職人さんを指名することは難しいと思います。
やはり、完成現場の見学は勿論ですが、施工中の現場を見学しながら職人さんや現場監督さんと会話をする等、本当にこの人達に造ってもらいたいと思えるか否かが重要ではないでしょうか。そして施工中の現場では隠れてしまう部分を見ることが出来ます。製造業の方でしたら尚更隠れてしまう部分こそ大切だと思われるのではないでしょうか。