安城建築

社長BLOG 2009.08.21

稲むらを訪ねて

稲むらとは、現在の和歌山県広川町であり、新大阪から特急で1時間半程の長閑な港町で昔の日本らしさが残る田舎町である。この街は、物語「稲むらの火」の舞台となった街であり、以前からこの物語の場所に行ってみたいと思っていた。

物語によるとこの街は、今から約150年前に津波によって壊滅的な被害を受けた。地震の直後、この村で醤油屋を営んでいた浜口梧陵は、昔からの言い伝えを信じ津波が来ることを確信した。そして、村人たちを一刻も早く避難させる為、高台にある神社近くの稲に火を点けた。その火を火事だと勘違いした村人たちは、高台に引き寄せられた。その直後、村は津波に襲われた。(実際は、津波の後に火を燈したらしい)

津波によって村人たちは、家も畑を耕す道具も生きる希望までも失った。見かねた梧陵は私財により、村人たちの家を造り道具を提供した。そして、船を無くした漁師と後世もこの村で安心して暮らせる様にと津波を防ぐ防波堤を造り、村人たちの心にも火を燈した。

65歳位のタクシーの運転手さんも梧陵の銅像が建つ中学校出身だと言った。そして、運転手さんが学生の頃も今の子供たちも学校の教科書では、「稲むらの火」が紹介されると言う。

梧陵と村人たちが造った堤防を歩いていると、猛暑の中お婆さんが手鎌で草刈をしていた。

今でも梧陵やこの堤防は街の人々から愛され大切にされていると嬉しくなった。

稲むらの火の館⇒http://www.town.hirogawa.wakayama.jp/inamuranohi/

梧陵が村人たちを誘導した広八幡神社

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充