先日安城ホームニュースの記者さんが事務所を訪れられこのモデルハウスを背景に記事を作成したいので撮影させて欲しいと申し入れがありました。間もなく築20年を迎えるモデルハウスが選ばれたことにとても嬉しくなりました。
おそらく、築20年のモデルハウスは日本最古のモデルハウスかもしれません。しかし、その家を背景撮影したいと思われたということは、時代を経ても普遍的に美しいと感じるものがあるのだろうと思います。
そして住宅展示場のモデルハウスの平均寿命は築5年といわれています。勿論、物質耐久性は何ら問題が有る訳では無く、デザインそのものが色あせユーザーから飽きられてしまうからです。生涯をかけて購入した家が車のモデルチェンジよりも早く流行遅れとなってしまうことは、ユーザーにとっては実に残念なことでしょう。
このモデルハウスが完成した20年前、輸入住宅の父と呼ばれる戸谷英世先生は来賓挨拶の際、『先進国の中で唯一、木造住宅の資産価値が築20年でゼロとなってしまうのは、日本だけの様です。この建物は日本の住宅産業及び文化を変えていく足がかりとなることでしょう』と言われました。
戸谷先生曰く、米国の住宅産業に比べ我が国は50年間遅れ、日本の自動車産業同様、世界最先端と言われる北米の住宅産業から学ぶべきと唱えられています。その最大の理由は、建物の資産価値が北米の様に世代を渡って持続することが可能となった時、真のゆとりのある生活と住文化が実現育まれて行くとお考えになられています。
安城建築は、これからも戸谷先生の意思を受け継ぎ『日本の住宅文化を変えていく』活動に全力で取り組んで行きます。
創業昭和四年 安城建築 浅井宏充