前回のブログで紹介した外装職人は正直言って少々柄が悪そうに見える(恐らく、繊細が故に結界を張っていると思う)彼の仕事を見ていて思うのは、私がこの業界に入って20年程なるが、これほど技術とマインドの高い職人はいない。
輸入住宅や西洋住宅は、建て方後に造り込まれる外部の細部の造り込みによって、より本物に近づけることが可能となる。それには、細部の納まりを適切に指示できる現場監督と、それを元に造り込める職人がどうしても必要となる。時として現場監督の指示にひと工夫を加えることにより、より美しくなる場合がある。それがこの職人の極めて優れている処である。
職人は予め決められたコストで作業する場合が多い。その中で、あえて手間と時間を惜しまずに「こうするともっと格好良くなります」と監督に相談してくるのである。
弊社が数を出来ない理由は上記の様な理由からで、数は少なくとも限られたベストなチームで造り込みたいと思うからである。
帰り際、彼が言った一言にヤラレタ。「格好良くしなければ、安建の家では無くなっちゃいますから」
創業昭和四年 安城建築 浅井宏充