安城建築

家づくりコラム 2024.06.03

相見積もり

住宅雑誌等には、見積もりに関して、『相見積もりは必ず3社以上すること』等が時々記載されています。

しかし、家電や自動車の様に同じ工場で生産されるものでしたら簡単に比較出来ますが、間取り、外観、仕様が異なり、デザイナー、現場監督、職人の技量も異なるのに一体どう比較するのだろうかととても疑問に思います。

一番注意が必要なのは、どこよりもお値打ちにしますとトコトン価格を下げてくる会社です。会社運営がかなり逼迫していることが安易に想像できます。当然の様に職人さん達にも非常に厳しい賃金にて協力してもらうことになります。

一般的に見積もり段階では100分の1の図面の為、最終的に詳細がどの程度まで造り込みされるのか判りません。

又、同じ呼び名でも全く性能が異なるものがあります。例えば硬質ウレタン断熱材。この断熱材には水発砲系のものと次世代フロン系のものがあり、性能はフロン系の方が1.5倍の断熱性があります。又、全館空調においてもフィルターの性能が著しく異なり、安価なタイプの場合、掃除の出来ないダクト内部の汚れ方は著しいと言えます。

少々スピリチュアル的なお話ですが、私の経験上お客さんとチームメンバーや職人さんとの信頼関係の基で造り上げた家のご家族は皆さん幸せになられています。造り手の魂が宿るとは本当だと思います。

私も逆の立場でしたらできるだけお値打ちに造りたいという気持ちは勿論理解出来ます。しかし注文住宅の場合は、例えるなら手術をする際に、できるだけ安く手術してくれるドクターを探すのと似ていると思います。

それでもとにかく安く住宅を購入したいという方は、建売住宅若しくは、殆どを工場で生産される量産型住宅の方が無難かと思います。