安城建築

家づくりコラム 2024.06.03

高気密工断熱(断熱等級6・7)なら年中快適だと思っていませんか?

皆さん高気密高断熱の家は年中快適だと思っている様ですがこれが全く間違っていることをご存知でしょうか?そもそも高気密高断熱住宅は北欧や北海道で研究開発されたもので、愛知県の様な真夏の猛烈な暑さは考慮されていません。

例えば真夏、外部の熱は超高性能断熱材でも伝導が遅いというだけで、断熱材に蓄熱されながら徐々に室内側に伝わって来ます。(室内側のエアコンが停止している場合)

夏の夜、既に外は涼しく、窓を開けるが一向に室内が涼しくならないという経験をされたことはありませんか?それが断熱材の中に蓄熱された熱が室内側に放出される熱篭り現象です。それを防ぐには、そもそも断熱材に熱を蓄熱させない『遮熱』という概念を加えることが不可欠となります。身近で例えるなら、夏の駐車時にフロントガラスに取り付けるアルミの板、あれが遮熱です。

遮熱工法の採用当初、職人さんも半信半疑でした。しかし、採用前の真夏のランチタイムは、車の中で過ごしていた職人さん達が遮熱を採用後、現場の中で過ごす様になり、職人さん達もその効果に驚いていました。

住宅先進国の米国では、夏の暑さ対策には『遮熱』という考え方が必須とされていますが、日本においては政治的背景により、遮熱という概念が無く、断熱性能に数値として加えることが出来ないのです。その様な理由により、住宅購入者へ数値としての優位性を提示出来ない為、技術者は導入すべきと思っていても採用しないのです。

今後、電気代は上昇し地球温暖化は益々進んで行くことを考えると遮熱対策は当たり前の時代になると思います。