お施主様の並々ならぬこだわりが詰め込まれたクイーン・アンスタイルの家。との屋根の先端には装飾のスパイヤーが付き、妻壁の鱗サイディングやカバードポーチなど、華やかさが引き立つ仕上がりです。明治村が大好きなS様ご夫妻の構想から始まって実に10年以上の年月を費やして完成したこの家は、きっと何年経っても色褪せない魅力を放ち続けるでしょう。
※クイーン・アンスタイルとは
米国の19世紀後半、最も人気のあったデザインがクイーン・アン様式です。英国から入った比較的地味なクイーン・アン様式は、米国において英国の基本を踏襲しながらその意匠や装飾を強調することによって、より華やかさを増した建築様式となりました。クイーン・アン様式は、米国におけるビクトリアン様式の代表傑作という評価があります。屋根伏は教会の屋根のように十字を切り、そこには教会の鐘楼のような八角形の塔があります。そして建物周囲には、教会を連想させるリビングポーチがめぐらされているという特徴があります。外観は華やかで、軒下、ポーチポストのブラケット、妻部のゲーブル、窓まわりの額縁などの装飾が多用されています。したがって、装飾の多さ、建物構造や屋根の複雑さから建築コストのかかる建築様式と言えます。象徴的な塔があることから、子どもの頃の「大人になったらお城のような家に住みたい」という憧れに最も近い建物を実現する様式でもあります。