建築業界に携わる者なら誰もが常識とされることをあえてお客さまに質問する。最近はモデルハウスをご見学される方にこんな質問をしてみた。

「ほぼ同じ家を大手メーカーと工務店で造ったとしたらどちらがお値打ちだと思われますか?」

8割のお客さまが、「大量生産により安い感じがする大手メーカー」と答えられる。確かに、常識的に考えればその通りである。

十数年前、弊社も総合ハウジングセンター等に出店を考えたことがあるが、その維持管理費に驚嘆した。
一棟のモデルハウスを総合住宅展示場に出店する為の必要経費は、建物の償却(通常5年サイクルでの建て替え)+土地リース代+協同宣伝広告及びイベント費用+人件費(1拠点営業マン4名程度)+フランチャイズ加盟料及び上納金+水道光熱、事務機器リース代。
これだけの金額を利益から捻出しなければならず、思うような家づくりが出来ないとハウジングセンター出店は断念し、弊社の作業場にモデルハウスを建築した。

これから家を建てられる方が一番気になることとして、「支払ったお金は十分に建築に反映されてくれるのだろうか?」という心配だと思う。

業界内では、大手メーカー住宅の利益の割合は6?5割。工務店の場合は2?3割。つまり利益が6割なら、お客さんが支払ったお金の4割しか建築に反映されていないということになる。

今までの経験から推測すると結果的に満足度の高い家づくりをされた方は、じっくりと勉強し、真実を見抜けるようになってから家づくりをされている方だと思う。

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充