現場で職人のひとりが、「社長、お施主さんが書かれた落書きは見られましたか?」
と話し掛けてくれた。

構造材の柱や床のあちらこちらに落書きがされていた。職人が、私に話し掛けたく
なった気持ちが良く解った。

職人が見たら・・・・これほど嬉しい落書きは無いだろう。

建設会社も手間と不要な施設を省く為、ミニハウスメーカ化し、工事を一括して他の
工務店に丸投げされる形態の営業主体の建設会社が増殖している昨今、お施主さんと
職人の距離は出来るだけ短くしたいと私は思う。

この家のお施主であるF様が、こんなことを言っていたことを思い出した。

「何だか良く解りませんが、この家に暮らすと、きっと良い事が起こりそうな気がす
るんです」

実は既にその変化がF様に起こり始めていることを私は気付いてる。

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充