私は昔から古い物が中々捨てられない。共に暮らしてきた物たちに記憶された想い出までも捨て去る様で・・・。

リフォームを期に45年間家族を支えてきた小さなスレートの工場。人生を共に歩んできた機械が片付けられた後、お施主様のお父さんがひと言。

『何もなくなっちゃたな・・・』

お母さん曰く、『最近元気が無く寂しそうにしています。娘が嫁に行く時の様です』

我々の仕事は、解体は付きものです。生まれ変わった建物がより深く、長く愛され続けられる様な仕事をすることを肝に銘じなければなりません。

創業昭和四年 安城建築 浅井宏充